愛と平和(オリジナル)
「実は彼女と付き合うことになったんだ」
中学の頃のクラスメイト三人組で集まった席で、二人からそう報告を受けた。
我々は現在、すでに就職して一年が経過しているお年頃である。
私は目を丸くして、
「そうなんだ。おめでとう!」
と祝福した。
顔のパーツがくっきり派手な感じのトワちゃんが、申し訳なさそうな顔をつくっている。その実、少し勝ち誇ったような顔。
「三人で集まる時に気を使うから断ってたんだけどね。彼、全然趣味じゃないし」
「ひでぇな」
背が高くてシュッとしたソガ君は、文句を言いながら嬉しそうに笑っていた。
「え、全然良いよ。お似合いだよ。おめでとう」
私は心から祝福の言葉を贈った。
すごく嬉しかったからだ。
ソガ君。
彼は昔から、借りたものを返さない人間だった。
トワちゃん。
彼女は衝立にある傘は勝手に取って行って良いと思っていて、切符やチケットがなくても席が空いていれば座って良いと思う人間だ。
二人、価値観が似ていると思う。
私とは全然違う。
「なんか、ごめんね」
トワちゃんから謝られたけれど、私的にはむしろ万々歳であった。
これで、彼らの寂しさの穴埋めに使われずに済む。
彼らのような常識を持ったモンスターを世に放ってしまう罪悪感は少しだけあったが、今は喜ぼうと思う。
愛って良いね。
私に平和をありがとう。
3/10/2026, 12:58:21 PM