M.E.

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絵本に登場しそうな、うろこ雲が青空を泳ぐ朝は、晴れ晴れとした気持ちになる。

しかし、悩みが膨れ上がり、今にも爆発しそうになっているときは、きれいに見えるはずの青空が、眩しすぎて、気がついたら、自分がこんなきれいな青空をみて、きれいだと思うことへの後ろめたさを感じていて、心から青空を喜べない。

夜は暗い。空一面が雲に隠れていると、真っ暗だ。しかし、雲が空を隠していない日の夜は、星が一面に広がって輝いている。

特に、空気が澄み切った、肌寒い冬の夜空は、きれいだ。自分が悩みを抱えているとき、その悩みさえも、優しく包み込んでくれるような気がする。悩みを抱えていても、なんだか温かい気持ちになる。

わたしは、今置かれた状況が自分にとって、辛く、今にも泣きそうなときには、夜空を見上げている。

夜空は、わたしを頑張れと励ますわけでもなく、ただありのままの自分を肯定してくれる。ずっと遠く離れていて、今はもう存在していないかもしれないけれど、星の魂は、静かに、わたしの隣で見守ってくれている。

このような、夜空に対する思いは、自分はもうだめだ、と自分の人生を悲観したときに、今が全てじゃないよ、と言ってくれた人に対する思いと似ている。

辛いことがあるからこそ、心に沁みるものが生まれる。それは、辛いことがないと、生まれない思いだ。

辛いこと、例えば、悲しいこと、悔しいこと、なさけないことはない方がいいけれど、毎日いいことしか起こらなかったら、それはいいことっていうのだろうか。

辛いと幸せという感情は表裏一体で、全く違うものではない。夜空を駆ける、このことを思いだして、夜空をみると、今の状況に対する感謝の気持ちが溢れてくる。

これできっと君はもう大丈夫だ。星が、隣でそういっている声が聴こえる。







_________夜空を駆ける_________________________。

2/21/2025, 3:03:03 PM