「づめだいッ」
隣席の男子が冷凍みかんを一気に口に放り込んだ。
冷たいなんて当たり前なのに馬鹿らしい。
また、反対隣の女子は一生懸命みかんの白い部分
を取っている。
「ここ美味しくない。」とか言っていたな
そこまで味が変わらないのに。
私は、冷たいのが嫌だから
最初から皮を剥いて置いておいた。
給食を食べ終わる頃には、
食べごろだ。
みかんを最初に手に取った時、
「みかんは最後だろ?」とか言ってくる子がいたが、
この方法を話したら納得していた。
何だったら真似していた。
自分から段々を広まっていくのは何だろう
なんかクラスの社長にでもなったようだった。
「ちょ、これ見て冷凍みかんサワーだって」
「それがどした?」
同窓会中、幼馴染のゆいが話しかけてきた。
「冷凍みかん、冷凍みかんだよ!小学生ぶりじゃん」
「そだね。頼んでみようかな」
「お、いいね!」
タッチパネルから2つ注文する。
数分後、定員さんがサワーを2つ持ってきてくれた。
何とみかんが丸々入っている。
それもキンキンだ。
ゆいがみかんを一気に口に放り込んだ。
「づめだッ」
小学生の時も同じ光景を見た。
「ちょ、急ぎすぎだってw」
「だって楽しいんだもん」
私も、みかんを食べる。冷たい。
そして、美味しい。
昔は、大人ぶっていた私が、
今は子供に戻っているようだ。あったかい。
又こうやって小学生以来の友人たちと会えたのだ。
きっと、みかんが食べどきになる頃には、
大人に戻っているのだろう。
今は、この冷たさにはしゃぎたい。
12/30/2023, 9:02:07 AM