漣 蓮斗

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テーマ 怖がり

「ねえ知ってる?」
遠くの女子の塊の一人が話し始める。
「なになに?」
「ここの地域に夜に橋の近くで死んだ人の地縛霊が出るらしいよ」
「何それこわ~」
軽く周りの女子が返答する。少し悪寒がした。今日はなにもないことを願う。

ー夜8時ー
「はぁ...」
塾で勉強に集中していて帰るのが遅くなってしまった。
「ん?」
橋のところで静かに佇んでる人がいる。ここは田舎だ。こんなところにいるのは珍しいな。
僕が横を通ったとき、顔をグルッと回してきた。
「ひっ」
急いで僕は走った。橋の反対まで。最後に後ろを向いた。暗くてわかりにくかったけれど、
「...っ」
悲しそうな顔をしている男の子が見えたような気はする。

ー次の日ー
学校が終わった。ずっと昨日からあの顔がずっと思い出されている。そして決意した。あの橋に行ってみよう。

ー夜8時ー
「...〜〜〜..」
居た。独り言をしゃべっている。少しも足音を出さないで聞いてみた。
「なんで離れていくんだろ。僕何か悪い子としちゃったかな?」
泣きながら亡霊の男の子が言う。
「そんなことないよ」
いきなり僕が言う。
「!。そうなの?」
目に涙をためながら男の子は言う。
「うん!幽霊がちょっと怖かっただけなんじゃない?僕は君が優しい人だとわかったから話しかけたんだ」
「ありがとう!」
さっきまで泣いていたのが嘘だったのかのように笑顔で言う。これからこの男の子と仲良くなって日々を過ごしていった。
今でも死んだ理由は聞いていない。知らなくてもいいと思ったからだ。知りたくなったら自分を犠牲にすることを覚悟しないと。と直感が言っている。

おわり

3/16/2024, 10:26:47 AM