映画館のスクリーンいっぱいにひろがる、ボクの笑顔。こんな風にみえていたんだなあ、と少し気恥ずかしい。自分の顔ながら、だいぶ優しい表情だ。そりゃそうだ、ボクはキミが大好きだったから。キミをみるたび嬉しくて愛おしくて、いつも笑っていたと思う。
キミが天国にいってしまった夜、あまりに悲しすぎてボクは星空のした、あてもなく歩いていた。気がつくと知らない公園にいて、ボクはなんとなくブランコに座った。ゆらゆらゆれながら、涙が頬をつたっていくのを感じた。目を瞑ると、キラキラしたキミの笑い顔が浮かんでくる。どうしてこんなことになるのか、もう二度とキミに会えないのか、といろんな気持ちがぐるぐるし、ボクはブランコをおり、地面に座り込んだ。
とんとん、と肩を叩かれ顔を上げると、知らない少女が立っていた。
「ついてきて。」
と、その少女はひと言だけ言葉を発し、歩きはじめた。ボクは、言われるがままついていった。着いたのは、町外れの古びた映画館だった。ボロボロの椅子にボクを座らせ、少女はどこかにいってしまった。
しばらくすると、スクリーンが明るくなり、何かが始まった。古い映画だろうか?
『○○の夢』
タイトルは、キミの名前だった。びっくりしたボクは身を乗り出し、続きを見守った。次々と映し出されたのは、ボクの笑顔だった。キミを笑顔でみつめるボク。話ながら笑うボク。どれもキミからみたボクの顔なんだ、と気づいたとき、涙が溢れ止まらなくなった。ああ、キミもこんなにボクのことを想っていてくれていたんだね。涙でスクリーンが見えづらかったけど、最後まで全てボクの顔だった。
「○○、ありがとう。」
と、ボクはちいさくつぶやいた。
12/17/2025, 8:31:54 AM