木蘭

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【きっと明日も】

ホントは創作モノなんて書くはずじゃなかった。小説とかファンタジーは心底苦手だったし、この先も縁遠いものなんだろうって勝手に思ってた。

エッセイとかコラムとか、ごくごく身近な「ホントの話」を書いていくつもりだった。それなのに、どうしても書くことのできない「ホントの話」ができてしまった。

本気であなたに恋をしてしまった。

現実には決して成就することがない想いだから、本来であれば消し去らなければならない。頭ではわかっていたけれど、気持ちはいつまでたっても変わることはなかった。それどころか、抜けないトゲのようにじんわりとした痛みとともにいつまでも心の真ん中に突き刺さってていた。

現実でダメでも、創作ならネタになる。むしろ、恋すれば恋するほどストーリーが溢れ出す。だから、あれほど敬遠していた創作の世界に足を踏み入れてしまった。

誰にも遠慮することなく、好きな人のことを好きなだけ考えられる世界があるってそれだけでも幸福なのに、そこから派生して新たな物語が生まれるなんて、「ホントの話」だけを書いていた頃には考えられなかった。

きっと明日も、私はあなたの笑顔を思い浮かべながら新たな物語を綴っていく。その先もずっとずっと、この恋を架空のストーリーに重ね合わせていくのだろう。

9/30/2023, 12:53:27 PM