『子供の頃の夢』
子
お父さんの小さい頃の夢
ってなんだった?
父
ん?ん〜…
確か大工さんだったかな?
子
大工さん、やめちゃったの?
父
やめた訳じゃなくて
なれなかったんだよ
子
なんで?
父
大工さん向いてなくてねぇ
釘を打ったり設計したり
どれも結構好きなんだけど
高いところが苦手でね…
それに、
大きいものを作るのは好きだけど
小さいものもしなきゃってなったら
なんかつまらなくなっちゃってね…
子
ふーん、じゃあなんで
今はケーキ屋さんなの?
父
なんでだろうねぇ
子
え?お父さんも分からないの?
何か頭の病気になったの?
父
ごめんそういう事じゃなくてね
説明すると難しいけど
とにかくお金稼がなきゃって
毎日目の前のことをしてて
その時にケーキ屋さんの
お手伝いをすることがあったんだ
その時に初めて
同じ作るでも違う作る楽しさが
急に小さく目覚めてね
ひとつずつやっているうちに
そこでお仕事がつづくようになったんだ
子
ふーん
それで作るの上手なんだね
父
っはは、そうかもね
子
だって美味しいし
それに今、
お家も作れるようになったもんね!
父
―――そうだね
「特別賞 作品名―――『夢の家』」
〜シロツメナナシ〜
6/24/2025, 6:20:53 AM