ススキ箒というものがあったなあ、と思いました。
小学二年だか三年だか。校庭の落ち葉を掃いてこいというミッション。
細かいところは忘れました。
多分、班ごとで組んでおり、教室、廊下、階段などと掃除場所が1週間ごとにローテーションされていた気がします。
で、秋の、落ち葉がてんてこ舞いとなってくると、期間限定みたいな感じで、「校庭」が出てきます。
校庭を囲むように、落ち葉がみっちりと降り積もっていましたから、担当がそこになると腕が鳴るというものです。
なかばボランティアみたいな感じで、班ごとに行動する数人が、わー、と秋の校庭に駆け出していました。
箒やちりとりなどは、校庭の隅にある、多分普段は学校の清掃員の人が使っているんだか、そうでないんだか分からないようなオンボロの掃除入れを使っていました。
その中に入っているのが、室内用のほうきと二本の大きなススキ箒でした。
基本的に、子どもの身体では小さいので、教室の室内用の箒のほうが使いやすいわけです。
室内用なので、箒の形をしてません。
モップみたいなT字の形をしたもので、掃くところの厚さは5センチもない。つまり軽め。
柄の長さが首の高さより下となるので、しゅんしゅんぶんぶんと振りながら、教室の綿埃と格闘できるわけです。
しかし、如何せん校庭での掃除となると、わけが違ってきます。校庭にはじゃりや砂が敷かれているため、お外の場合、ススキ箒のほうが良いような気分になってくるようです。
ススキ箒は、基本的に大人用のために作られた格好なので、小学生の身分ではちと難があります。
柄の長さが頭より上の2メートル以上(測ってないので不明)となっていますから、掃こうとしてもダイコンのような大筆ですから、よいしょ、よいしょと身体を揺らしてやらねばならないという……。
そんな使いづらいことで有名なススキ箒ですが、落ち葉掃きのときだけは大人気となります。
じゃり、じゃり、という特有の地面を削る音が鳴ってなんか楽しいわけです。
本数も二本と、五〜六人で構成された班では「選ばれし者」よ感が溢れます。
ススキのボリュームも贅沢な感じなので、早速じゃんけんとなってきます。
僕は負けたのでちりとり係です。
ほうぼうに散った班の人たち。
ちりとり係の僕は、校庭のどこかを行ったり来たり。
落ち葉の山が降り積もっていますから、えんやこら、どっこいしょ、がさあ……とゴミ袋に入れ、スペースを空けるために足を入れて押し込む感じが懐かしいです。
11/11/2024, 9:56:15 AM