お題:この場所で
何も変わらない顔をするこの場所で、これ以上何も変わってしまわないように笑った。今できる最善だったから、やらない選択肢はなかった。「きっと、大丈夫」自己暗示を繰り返せば、悲劇も蜃気楼のように遠くなっていく。過去になるのだ。どう、足掻いても、戻らないのだ。
奇跡があってもいいじゃないかと思う。瞬きしたら本当に何も変わらない日々が続いていて、悲劇はただの悪夢で、
「怖い夢を見た」
と、弱音を吐くだけで済むなら、あいつが俺を揶揄って、あの子は俺を心配して、最後はみんなして笑って、思い出で終われる。そんな奇跡があったらいい、と思う。
責任逃れだ、それは。
浅はかな空想を握り潰すように拳を握った。後悔はしてもそれに浸ることは許さない。今のために動かない脳みそならいっそ動くのなんてやめてしまえ。
今を生きているのが全てなんだ。
何も変わらないでいてほしかったこの場所で笑う。それは虚栄でも責任でも罪でもなく、生きることを選んだ俺たちの特権だ。
◯☀️の話
2/11/2026, 4:33:58 PM