紗夢(シャム)

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【太陽のような】
【創作】【宵(よい)と暁(あかとき)】

2/23 PM 2:10

 (わ~、ぽかぽかだ~)

 干していた洗濯物や掛け布団が
 あったかくて気持ちいい。
 それを部屋の中に取り込みながら、
 やっぱりお日様の力ってすごいと
 再認識する。

 現実の世界でも、虚構の世界でも、
 太陽に喩えられる人の存在は大きい。
 その明るさで、誰かを元気にしたり、
 笑顔にしたり。
 日だまりのような優しさで包み込んで、
 安心感を与えてくれたり。
 絶対的な強さと影響力を発揮して、
 仲間たちを導いてくれたり。

 太陽のような人には、実は様々なタイプが
 あるけれど、共通するのは、
 《なくてはならない存在》ということ
 だと思う。だとしたら。

 (わたしにとっては、 太陽=宵ちゃんと
  真夜(よる)くんってことになるよねぇ)

 2人のことを思い浮かべるだけで、
 心が暖かくなって、笑顔になれる。
 こんなにもたやすく満たされた
 気持ちになれるなんて、本当にすごい。

 ――そんな風に浸っていたら、
 不意にLINE通話の音が鳴った。

「もしもし~。宵ちゃん、どうしたの?」
「暁、今、家にいる?」
「いるよー。洗濯物取り込んでたの。
 あと、宵ちゃんたちのこと考えて
 ニマニマしてた」
「何それ……」
「宵ちゃんたちは、いつだってわたしを
 幸せにしてくれる存在ってこと」
「はいはい。じゃあもっと幸せになれるかも
 しれないから、暇ならうちに来なさい。
 これから真夜がスコーン作るって
 言ってるわよ」
「わぉ。それはすぐ行くね!」
「作って焼けるまで、ある程度時間が
 かかるんだから、洗濯物畳んでから
 来なさいよ」
「分かった~」

 洗濯物を片付けて、スコーンに合う
 紅茶の缶を鞄に入れて。
 わたしにとって、太陽のような2人に
 会いに行く。
 今日も素敵な休日になる気がした。

2/23/2023, 8:30:22 AM