そこら辺の人🏳️

Open App

 あの子を助けるために、私は過去へ行けるタイムマシーンを造った。

 私の身代わりになって、犠牲になった親友。

 私と正反対の、とても優秀で、誰からも好かれていて、私も大好きだった親友。

 あの子が死んだ時、周りから「なんで、あなたの方が生きているの?」と数えきれないほど言われた。

 それからは贖罪の日々だった。

 私は罪を償うために、今まで生きていたのだ。

 それも、今日で終わる。

 私はタイムマシーンに乗り、過去へと渡った。

 そして高校生の時まで戻ることに成功し、私はタイムマシーンから降りてなりふり構わず駆け出した。

 通学途中の2人の高校生に体当たりして、鉄骨の下敷きになるのを防ぐのだ。

 だが、親友は高校生の私と年を取った私を押した。
 
 なぜ、と驚く私に彼女は微笑むだけで何も言わなかった。

 変わらずに鉄骨の下敷きになった親友は、震える手を伸ばして私の頭を撫で、微笑む。

「リエが、生きてて良かった……」

 なぜ、彼女に私が私だとわかったのか、わからない。

 ただ、私は涙が止まらなかった。

1/22/2024, 11:57:57 AM