あの子を助けるために、私は過去へ行けるタイムマシーンを造った。
私の身代わりになって、犠牲になった親友。
私と正反対の、とても優秀で、誰からも好かれていて、私も大好きだった親友。
あの子が死んだ時、周りから「なんで、あなたの方が生きているの?」と数えきれないほど言われた。
それからは贖罪の日々だった。
私は罪を償うために、今まで生きていたのだ。
それも、今日で終わる。
私はタイムマシーンに乗り、過去へと渡った。
そして高校生の時まで戻ることに成功し、私はタイムマシーンから降りてなりふり構わず駆け出した。
通学途中の2人の高校生に体当たりして、鉄骨の下敷きになるのを防ぐのだ。
だが、親友は高校生の私と年を取った私を押した。
なぜ、と驚く私に彼女は微笑むだけで何も言わなかった。
変わらずに鉄骨の下敷きになった親友は、震える手を伸ばして私の頭を撫で、微笑む。
「リエが、生きてて良かった……」
なぜ、彼女に私が私だとわかったのか、わからない。
ただ、私は涙が止まらなかった。
1/22/2024, 11:57:57 AM