9/29「静寂に包まれた部屋」
目が覚めると、何もない白い部屋にいた。
「おっ、これはもしかして、ちょっと前のソロ用TRPGでよくあるやつ?」
ここからいかに脱出するか。まずは探索してヒントを探すのだ。
それにしても、音がない。何の音もしない。独り言すら壁に吸い込まれていく。
段々不安になってきた。大声を出してみる。しかし応えるものはない。残響さえもない。
その時、壁に巨大な目が現れた。SAN値チェックです。
腰を抜かしていると、目は言った。
『せっかく静かな部屋を作ったのに、うるさい人間だ』
目の前が暗転した。と思うと、ポイと捨てられるように投げ出され、自室のベッドの上にいた。
「た…」
助かった。ただの悪夢だったのかも知れないが。
外では登校する子供や車の音。音のある生活に安心する。
腰は抜けたままだし、今日は会社を休もう。
(所要時間:10分)
9/30/2023, 12:53:02 AM