理想主義的ニヒリスト

Open App

秋風

色に捨てられた落ち葉が舞う。ついこの間まではあんなに綺麗な赤だったのに。彼らの意思には反して無情に吹き流されていく。梢と繋がれない葉なんてのは、踏まれて風に飛ばされるためにあるんだ。なのに、なのに。
肌寒い夜に暖められた右手の感触は、いくら色を失っても皺が引っかかって飛ばせない。

冷たい風がしみて痛いのは、唇の乾燥のせいだろうか。それとも。

11/14/2023, 1:20:29 PM