「過ぎた日を思う」
今日は君の命日。そして私の誕生日。
わたし、もう20歳になったよ?あなたはずっと17歳のまま。
君と付き合って一年ほど経った冬の寒くて暗い夕方頃に
きみはわたしを庇ってトラックに跳ねられた。
キーー
ドンッ
グシャッ
キャーー
大丈夫かっ!?
誰かっ、誰かっ救急車っ!!
呼吸…してないぞ!!
頭から離れてくれない鈍くて心臓を刺すような声と音。
鮮明に覚えてる。
忘れきれない。
部活終わりの夕方、きみと他愛のない会話を交わしながら帰っていた。
そこに運転手が発作を起こし、ハンドルを掴めなくなったトラックが突っ込んできた。
きみは繋いでた手を一瞬ぎゅっとしてからわたしを押した。
ドンッ
だめだめだめだめだめだめだめ
まだだめ
そう心で唱えてもきみがもどっくることはなかった。
きみのは手の温もりに包まれた暖かい手が小刻みに震えてたのを覚えてる
10/6/2024, 3:06:01 PM