大好きな彼と久しぶりにデート。
差し伸べてくれた手を取って、当たり前のように繋いでくれる。
「行こうか」
雲ひとつない空が眩しいのは、彼の笑顔も一緒で目を細め、顔がほころんでしまう。
ああ、彼が大好きだな。
「あ……」
なにかが足に当たって転びそうになるけれど、彼が繋いだ手を引っ張って抱き寄せてくれた。
「セーフ」
楽しそうに笑ってくれる表情。一緒に暮らしていて、当たり前のように見ている笑顔なのに、ドキリと胸が高鳴る。
私は、彼の手を離して首に手を回す。そのまま身体を彼に預けて抱きしめた。
「どうしたの?」
「ううん……安心するから」
彼の表情は見えないけれど、くすっと笑うのが分かった。
「お天道様のしただよ?」
「関係ないもん」
普段は人の目を気にするけれど、大好きな彼を太陽の下で抱きしめたかったの。
おわり
一九三、太陽の下で
11/25/2024, 12:16:25 PM