ベッドの上以外、物が散乱している暗い部屋。
枕元に置いているスマホを取り、画面を点けると、部屋に小さな明かりが灯る。
時刻は……5時36分。
24分早く目が覚めてしまった。
外からは、パラパラと雨が降っている音が聞こえる。
雨音が心地よくて、目を瞑れば二度寝出来そうだ。
まだ起きるには早いし、もう一回寝ちゃえ。
画面を消し、スマホを枕元に戻す。
目を瞑り、再び寝るモードに入る。
……そういえば、今日は会議があるんだっけ。
嫌だなぁ……誰か代わってくれないかな。
あと、今日中に書類を提出しないといけない。
面倒だなぁ……課長、期限伸ばしてくれないかな。
寝ようと思ったのに、次々と嫌なことばかり思い出してしまう。
よーし、今度こそ頭を無にして──。
ピピピ!ピピピ!
スマホにセットしていた目覚ましが、部屋中に響く。
時間切れ!早く起きなさい!と言っているかのように。
スマホに手を伸ばし、目覚ましを止める。
「はあ……」
溜め息をつきながら、ベッドから起き上がる。
外から聞こえる雨音は、さっきより少し弱まっていて、まるで私を励ましてくれているように思えた。
5/25/2025, 11:22:35 PM