入山夜鷸

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雨けぶるなか おおぶりな
玉の花束かかえつつ
征くに征かれず散りもせず
あじさいは 還りたい

わずかな晴れ間 おおつぶな
紫の露たたえつつ
泣くに泣かれず枯れもせず
あじさいは 待ち謡

雲の下にて 濡れてゐる
佇む姿そのままで
あづさえ、あづさえ雨の花
いろいろの 滲む日に


「あじさい」

6/14/2024, 3:10:46 AM