【青い青い】
22歳の春、大学の卒業旅行で小笠原諸島に行った。
(卒業式をサボった)
おがさわら丸(通称おがまる)に乗って、芝浦ふ頭を夜10時に出港。そこから27時間の船旅が始まる。
これは長い。とても長い。本当に長い。
幸いに私は芝浦ふ頭で船を待つ間に、2人の女性(大学生と45歳くらいの大人の女性)と仲良くなり、色々話しながら27時間を過ごした。
大人の女性の名言は今でも覚えている。
「地球の3割が陸で、7割が海だがら、海に潜らないなら、地球の3割しか知らないことになる。私は地球をもっと知りたいから、7割の海に潜り続ける」
それで小笠原にダイビングをしに行く、とのことだった。
大学生の子とは、ラウンジで青いカクテルを飲んだ記憶がある。
27時間の船旅で船酔いをしようものなら、地獄と化す。私は、最新の注意を払い、船酔いしないように努めた。
酔いかけたら、すぐに効く酔い止めを飲む。
シャワーは個室だが、個室はとても酔いやすい。よってシャワーはやめ。
雑魚寝するところは、人がたくさんいて、足も伸ばせなかったため、結局、食堂で寝ることになった。
とても長い夜だった。眠れたのか、眠れなかったかは覚えていない。
そんなこんなで夜が明け、3人で朝食をとり、到着を待った。
父島に着く頃になると、ちょっとだけ波が高くなった。ジェットコースターに乗るような感覚だが、ちょっとだけだったので本当助かった。
27時間の船旅を終え、父島に無事到着。
そこで、父島の人たちに出迎えられ、本土ではみたことのないような木々を見た瞬間、来てよかった、27時間耐えて良かったと思った。
そこからは3泊4日、父島で2泊、母島に1泊した。
もしこれから小笠原に行く人がいたら、母島に行くこともお勧めする。
父島からさらに船で3時間くらいかかるが、母島は手付かずの自然が残っていて本当に素晴らしい。
私は3日目の午後に、母島の最南端を目指した。日本で数少ない、南十字星が見える場所だ(私は見なかったが)。
最南端に着くまでは大冒険だ。南国のジャングルの中を30分くらい歩いて、最南端の崖の上に着く。
そこで見た景色は、私の人生でも最も美しい景色の一つだ。
南を見るとただただ、青い青い、本当に真っ青な海が広がる。
崖に打ちつける波の白と海の青が広がる。
反対を見ると、母島の木々の緑が一面に広がる。
心に響く自然の景色だ。
よくもまぁこんな遠いところまで来たもんだ、と。
でも本当に来て良かったなと、青い青い海を見て、そう思った。
たくさんの景色と、小笠原で出会った人々との思い出を胸に、帰りに27時間の船旅に出る、と。
青い青いにたどり着くまで、長くなってしまった・・・
5/3/2025, 11:46:29 PM