「病は気から」なんて、飽きるほど聞いたけど。それなら気の病みはどこから来るのだろうか。
「はい、今日のプリントとノートの写し」
見慣れた部屋の中。君はいつもの場所に座って、うつむきがちにぼんやりしてた。いつも通り持ってきたものは机の上に置く。
優しすぎる君だから、多くを抱え込んでしまったのかもしれない。誰の痛みも、苦しみも。我が事のように耳を傾け、捉えた果てのがんじがらめ。助けてあげられたらいいのに、その術を持たない。無力さに打ちのめされながら、今日もまた君のとなりに座る。
口をついて出そうになる思いを改めて頭の中で吟味する。どれも言葉にすればなんだか妙に安っぽくなる気がする。もちろん君がそんな風に受け取らないことは知ってる。それでもまた、今日も言わないことを選んだ。ただそばにいる。それが自分なりの最善。
〉心の健康
8/13/2022, 10:23:06 AM