狐の隣

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貴方の羊膜が溶けて 嗚咽を漏らすとき
私はその大きな躰を包み込んで
生身の貴方を受け容れます

貴方が鼻を鳴らして眠るとき
私は腿を枕に 手は髪を梳く春風にして
貴方の休息をあやします

貴方が三途川を渡る時
私は死装束に身を委ねて
アーモンド・ムスクに沈みます

病める時も 健やかなる時も
死をも分かたぬ不分離の愛で
晴れ渡る空に 溢れて零るる祝雨を

3/13/2024, 11:23:27 AM