空にノイズが走って見える。半分は赤くて何も見えない。焦燥に駆られた足音と銃声だけ、やけに鮮明に聴こえる。
ああ、良い気分だ。痛くもない。ということは、俺は死ぬのか。
結局、俺たちは何を求めて引金を引き続けたのか。トップの指揮する先に、俺たちの未来図はあったのだろうか。
美味い飯を囲んで、あいつとあの子が、将来の夢について話してる。俺が「全部叶えられる理想郷を見つける!」と高らかに宣言すると、ふたりは俺を見て笑った。
なぁんだ。理想郷なんてのは、既にあったんじゃないか。戻りたいなあ。でももう、寒いなあ。
ふたりが屈んで、俺に微笑んだ。俺の視界は晴れて、立ち上がる。手を繋いで、帰ることにした。
10/31/2024, 10:15:38 PM