粉末

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真っ暗な野っ原にふたりで寝転んで
数えきれない星々を眺めている。
深い色の夜空は少し怖くて
隣の彼女の手を握ったが感触はなかった。
あ、これ夢かな。
そう思ってちらと隣を見ると彼女と目が合う。
真っ暗なはずなのにくす、と妖艶な微笑を浮かべる顔がはっきり見えた。
いつもの恥じらった笑顔とは違う姿に胸が熱くなる。
触れたい。
しかし肝心なときに体が自由に動かない。
ああ頼むよお願いだから
1回くらいキスさせてくれ。



夢が醒める前に

3/21/2024, 6:13:10 AM