まにこ

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物心ついた頃には既にたくさんの同胞たちと世界を共にしていた。
狭くて身動きもまともにとれない、そんな場所に押し込められていると気付いたのはもっと後のことだが。
いつも通り1日1回の食事を待っていると、果たして扉から登場したのは知らない顔。
僕たちを見るや否や瞳に涙をためるその女とは裏腹に、怪しい人物だと認識した僕たちは一斉に睨みつけたり唸ったり吠えたり隠れたりして応戦する。
この女性が実は後に救世主として崇められることになるのをこの時の僕たちはまだ知らない。

10/15/2024, 10:32:35 PM