今日は快晴だ。雲ひとつない。
本来であれば、明るい気持ちになれるであろうが、
あいにく今日はこの快晴が憎い。
天候が悪ければ、君が海外に飛び立つのを少しでも延ばせられるのに。
こんなことを思うなんて最低なのは僕にもわかってる。
君は希望を持って前に進もうとしている。その邪魔なんて到底できない。
僕も前に進まなければならない。
だけど、ここまで気の許せる友達は、僕には君しかいなかったんだ。
「帰国する時連絡するわ。お前も頑張れよ!」
とだけ言い残して乗り場に向かっていってしまった。
「待ってる。留学頑張れよ。」
これしか言えなかった。この言葉で精一杯だった。一気に孤独を感じ始めた。
僕はちゃんと笑えていただろうか。
こんなにも寂しがっていることがバレてないといいけど。
飛行機が飛び立つまで、僕は棒立ちで見ていることしかできなかった。
飛行機がゆっくりと動き出す。しばらく走ったあと、車輪が滑走路から離れた。
今日は快晴だ。飛行機が見えなくなるまでここにいよう。
そう思ったのに、君を乗せた飛行機はすぐに遠くの空へ消えていった。
「なんか、あいつみたいだな。」と、ふと思った。
次はいつ帰ってくるのだろうか。
君のことだから、帰ってきてもまたどこかに行ってしまうかもな。
まぁでも、僕はどこにも行かないから、君が帰ってくるのをのんびり待ってるよ。
4/12/2023, 12:25:07 PM