【灯火を囲んで】
焚き火の火が大きくはぜて、静かな山を照らした。
こうしてこのメンツで集まるのは何度目だろうか。
数えるには日が暮れ――いや、もう暮れとるな。
「おい、誰やねん! マシュマロ焦がしたの!」
「ちゃう、これは“香ばしさ”だしてやったねん。」
「黒こげやしもう炭や!」
笑い声が夜に響く。
ひとりが火ばさみを振り回して、もうひとりが逃げ回る。
「危ないわ、火の粉飛ぶやろ!」
「大丈夫や、お前ならいける!」
「いけへんわあほか!」
火の勢いが落ち着くと、誰かが缶ビールをカシュ、と開けた。
「お前、前みたいに一気しようや。」
「もう無理やろ。歳考えてみい。」
「なに言うとん、“永遠の二十代”やろ。」
「いや、腰痛持ちの二十代がおってたまるか!」
また笑いが起こる。
火の明かりに照らされた顔は、みんな汗と笑いでぐちゃぐちゃだった。
それでも、この空気が心地いい。
「なんやかんや言うて、こうやってアホ言うて笑ってんの、やっぱり楽しいな」
一瞬だけ静かになって、誰かが笑いながら薪をくべた。
「せやなぁ。来年もここでまたアホしよや。」
焚き火がぱちりと鳴いた。
夜風が吹いて、笑い声をふわりと運んでいった。
11/7/2025, 11:44:45 AM