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 赤やピンク、黄色にオレンジ、青に紫、白い花。
 緑の葉っぱに縁取られて、キラキラ輝く花々が美しくて。
 ふと思い立ってスマホを構えて写真を残す。

 カシャカシャ、カシャシャシャシャ
 上から、下から、横から、遠くから、近くから

 角度を変えて撮影してると頭上からポツリと降ってくる。
 ポツリポツリと徐々に数が増えていって、次第に音が重なり合う。
 大慌てで東屋に駆け込んだ。

 ザーザー激しい音を立てる雨の勢いに慄いて、ダメ押しの雷が鳴る。
 ピカピカ、ゴロゴロするたびに両肩がビクッと跳ねた。
 スマホの天気予報で雨雲レーダーを追いながら、満開の花はどうなったかと顔を上げた。

 雨に打たれながらも懸命に花を咲かせる花々。
 水浴びのようにどこか生き生きして見えるのは気のせいか。
 それとも花の美しさに空が感動の涙でも流したか。
 一粒一粒はっきりと雨の雫が写るように、スマホを構えた。



 合羽と長靴を身につけて、わざと水たまりに飛び込む子どもをなぜか想像してしまった。


『空が泣く』『花畑』
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いつの間にか200作品越えておりました。
皆様いつも読んでくださりありがとうございます。
オフラインでちょっとバタついていて時間確保が厳しいのですが、なるべくたくさんのお題で小説や散文等を書きたいと思っております。
何卒お付き合いのほどよろしくお願いします。

9/17/2024, 10:22:29 AM