私の彼は笑顔が素敵で、私から見た彼の印象は『太陽』だった。
――
目を覚ますと彼が起きていて、カーテンから外を覗いていた。暗闇の中からほんの少しの光が差し込んでいて……もうすぐ夜明けなのかもしれない。
彼もいつもの笑顔とは違って憂いを含んだ表情をしていて、私の胸はドキリとしてしまう。
私は身体を起こして彼のそばに近づくと、彼の瞳が私を捉えた。
「ごめん、起こした?」
いつもの晴れやかな声ではなくて、落ち着いた声。私は彼の不安を拭いたくて笑顔を向けた。
「ううん、起きちゃっただけ」
いつものような笑顔じゃなくて、どこか哀愁を感じる笑顔で。なにかあったのかなと思って私は彼の身体を抱きしめると、強く抱きしめ返してくれた。
「大丈夫、ですか?」
「ん」
彼はそれだけを言ってまた私を強く抱きしめる。私は彼の背中をポンポンとたたいた。
言葉にしない時は言葉にできない時だから、彼が話せる時まで私は待とうと思った。
おわり
三七〇、Sunrise
5/21/2025, 1:09:38 PM