また一人、此処を去ろうとする者がいた。まだ子供で、ちょっとした好奇心だったのだろう。高い壁をよじ登って、暫く外の景色を眺めている。どうするだろうか、去るか、戻るか。私は、どちらでも構わない。また造れば良いと、長椅子に寝そべり深く息を吐く。やをらと目を壁へ向ければ、既に子供の姿は壁上には無かった。テーマ「楽園」
5/1/2024, 9:45:58 AM