君を探していた。
もう数え切れない時間が流れて、オーエンは寿命が尽きて、生まれ変わって時が流れても、君を探していた。
君を…。赤い髪をしていて、眩しい顔で笑っていた、彼を。
「騎士様、きしさま、きしさま…」
どれだけ時が流れたのだろう。忘れることができなかったのだ。オーエンの寿命で言えばたった刹那の間、たったの数年、恋人だったわけでもなく、ただ魔法舎で共に生活をしただけだった。
20代の若さで命を落としてしまった騎士。
最後は呆気のないものだった。弱い魔法使いを庇って死んだのだ。
そんな一瞬しか生きなかった魔法使いの、もっと刹那の時共に過ごしただけなのに、オーエンの心にはその騎士の姿がずっとずっと、離れなかった。
どうしてなのか、オーエン自身には分かっていなかった。
この長い時間、どうしてこんな焦がれるような思いを抱き続けているのか、分からなかった。
アイフォンの画面を見ながらふと顔を上げる。
その瞬間、手に持っていたものを落とした。
あぁ、やっと、やっと…巡り会えた。
「騎士様!!!!」
カインが困惑したように顔を上げる。次の瞬間白髪の美しい少年に、目を奪われた。
3/15/2025, 7:40:29 AM