鳥のように飛べたら、君のもとへ行けるのに。
なんて、ロマンティックな事を考えた後に、馬鹿らしいと首を振った。
鳥のように飛んだって、地面で野垂れ死ぬのにさ。
「それに、君の所へ飛んでいく術なんて限られてるし」
名前を掘られた墓標に目を移して、無理矢理笑みを作って、手向けの花を地面に置いた。
ぴちち、と小鳥が空を羽ばたく。
鳥のように、なんて。アホらしい。
「無い物ねだりなんてするもんじゃないね」
自分は君みたいに鳥のようになりたいと空を飛ぶなんて怖くてできないから、自由気ままに生きるとするよ。
またくるね、とそう言って。背中を向けて歩き出した。
「鳥のように/20240822」
8/21/2024, 4:47:22 PM