「大切な人ができたんだ」
いつも子供っぽい言動で甘えたりふざけたりしていたフレンドが突然真剣な口調で話しだした。
オンラインゲームで知り合ってほぼ毎日一緒に遊んでいたけど、それだけの人だ。会ったこともなければゲーム外での繋がりもない。だからふつうに、おめでとうと返した。
それからなんだか冷めてしまってそのフレンドをブロックしてゲームもやめた。
彼に恋心なんてものは抱いていなかったけれど、現実が辛くて眠れなくなって泣きながらゲームに没頭していた私にはとても重たかった。青春してるんだな、信じ合える人がいるんだな。たったそれだけのことが耐えられなくなった。
たまたまそのゲームの広告が表示されたとき、考えるよりも先に広告削除ボタンをおした。その後削除理由を選択する画面が出てきて自嘲した。
迷わず選択したのは『不快だったから』のボタンだった。
この感情が嫉妬なのか憎しみなのかは分からない。あんなに仲良くしていたはずなのに、なんて汚い人間なのだろうか。ただただ彼が、ゲームが、不快でしかない。
何より悲しいと思ったのは、簡単にリセットできてしまうシステムと追い詰められたときの行動力だ。何の躊躇いもなく関係を断って、それを実現してしまえること。そして罪悪感を抱くことなく忘れてしまえること。
誰かと話しているとき、たまに脳裏にちらつくものがある。ドロドロとした暗いものが少しずつ思考を飲み込んで目の前の話し相手に不快感を抱いてしまうのだ。
その声や話し方、言葉遣いからちょっとした仕草が不快でしかたない。すぅ、と熱が引いていく。指先から冷えていって心臓まで達したとき、嫌悪に変わる。
どうやらトラウマにでもなってしまったようだ。
・蛇足・
書きたい部分だけかいていたら、登場人物が病んで終わる結末ばかりだったな
明るいキラキラハッピーエンドが書けるメンタルがほしい
よいお年を
【題:1年間を振り返る】
12/30/2023, 1:03:08 PM