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君の背中…


物心ついたときから、周りの視線は常に僕にあった


大きな会社をいつくも束ねる社長の息子
いつでも女性が群がってくる容姿
だいだいのことは完璧にこなせる


毎日がつまらなくて…、ただ時間の流れに沿って生きているだけだった

高校の入学式

新入生代表は、僕だと噂されていた
正直、僕もそうだと思った

でも、実際に呼ばれたのは聞いたこともないような
女の子の名前だった

中学まで僕の前に出るものなんていなかったのに、
高校になってから、僕と彼女の1位争いが学校の目玉となった

これまでは自分を自負していた
だから、彼女は許せなくて、1位を譲りたくなくて、
これまでにないくらい頑張った

それでも、彼女に勝つことは少なかった

いつも彼女の背中を見ていた


いつからだろう

忌々しい感情から
"恋心"というものに変わっていったのは


友達に分け隔てなく接する姿
友達のことをさりげなく、カバーする姿
床にゴミが落ちていたら、当たり前のように拾う姿

君の背中に見ているうちに
君の良いところ、好きなところ、
たくさん見つけたよ…


2/10/2025, 4:16:49 AM