aida

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『街の明かり』

 街の明かりが嫌いだった。夜に光るその光は、私にはあまりに眩しかった。人間の醜さが目に見えるようだった。何よりも嫌いだった。だから壊すことにした。私の嫌いなものは、私の前から無くなってしまえばいい。
 ずっと小さな頃からテロ的なニュースを見るたび思っていた。
 どうしてみんな壊せる力があるのにかたっぱしから破壊しないんだろうと。
 脅威をなぜ最初から消さないのだろうと。
 そんな小さな損害じゃ、君たちの嫌いなものは痛くも痒くもないのに。
 
 最初から町中に爆弾を置いておけば捕まる心配もなにも不安なんてないのに。

 そう思いながら私は、手の中の真っ赤なボタンを押した。
 これであんな奴らから解放される。
 あぁ、これでやっと夜が訪れるんだ、そう感じた。


 [速報です。○○県△△市を中心に○○県に大爆発が起こりました。爆破原因は不明で、現在調査中とのことです。近隣にご在宅の皆さんは…]


 きっともうすぐ調査員的な人間達が大勢来るのだろう。爆破されるとも知らずに。
 これが私の始まり。私が彼女達に拾われて、一緒に暮らすまでの話。


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読んでくださりありがとうございました!こういう過去話好きです。

7/8/2023, 12:24:58 PM