「心と心」
「言葉にせずともあなたは私のことを理解してくれる。」
「私もあなたの考えていることは手に取るようにわかるのよ。」
「私達は心と心で繋がっているのだから。」
そう言って笑う彼女の顔を、曇らせたくはなかったのに。
「どうしてわかってくれないの。」
彼女が呟いた。涙で濡れた瞳は宝石のように輝いて見えて、とても綺麗だと思った。
「君を理解できたことなんて一度もなかったよ。」
「君だってそうだろ。」
とうとう泣き崩れてしまった彼女が何を考えているのか、やっぱり僕にはわからなかった。
12/13/2023, 3:32:27 AM