【この世界は】
東の空が朝焼けの紫に染まっている。鮮やかな背景の真ん中で、君がしなやかに踊っていた。
昔だったら大嫌いな朝が来てしまったと、フードを目深に被って目線を逸らしていたのだけれど、君が楽しそうに笑うから、いつまでだって見ていたいと願うようになった。
太陽が地平線から顔を覗かせる。キラキラと輝くその光に、思わず瞳を細めた。ああ、君と共に生きるこの世界は、こんなにも美しい。そんな自分の単純さが馬鹿馬鹿しくて、だけど何故だか今の自分のことはそれほど嫌いではないのだ。
1/16/2024, 7:47:50 AM