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 街を歩いていると、今日は妙にぼんやりしている。普通にしていると分かりにくいけれど、踏切を渡る時、横を向いて線路の先を見てみると、よく分かった。

 奥のほうがもやっとしている。夕方の日差しをバックに、もやもやとクリーム色のベールがかかっているように見える。

 たくさんの人が歩いている。自転車が通りすぎる。話しながら歩く人もいる。街はいつも通り活動的なのに、静かだ。音がないわけではない。

 音の層が平坦な気がする。ぼんやり一定のトーンの中に閉じ込められたようだ。やわらかいゼリーのようなものに包まれたところを歩く人たち。

 この人たちは、私が見えているのだろうか? はっとする。この世界はなんなのだろう。


「この世界は」

1/16/2026, 8:28:27 AM