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安らかな瞳

「ユウキーー。」
次は移動教室だと言うのに、先程の授業からぐーすか眠り続けている親友に声をかける。
「起きろー、お前、次移動だぞ。」
ピクリともしないユウキにため息をつきそうになる。
どうして学校の教室というプライバシーの欠片もない場所で、無防備な寝姿を晒すことができるのか。
部活三昧だというのに、授業中に勉強せずにこいつは大丈夫なのか?
俺には理解できそうにない。
顔をまじまじと見てみれば、こいつはそれなりの容姿を持っているのに、なぜモテないのだろう。
ま、それも、こいつの普段の行いだろうな。
「……お前、次理科だぞ。」
「……ぁ……?」
「はよ。〇〇先生に怒られる前に行くぞ。」
「、ぉはよ……、ハルト?」
〇〇先生は面白くいい先生だが、遅刻には厳しく怒るとめっちゃ怖いとこいつも恐れていたはずだ。
重たそうにこじ開けられた寝ぼけ眼が向けられる。
その瞳は、太陽の光を受けて煌めいていた。
……普段からこんだけ静かならモテるのに、勿体ねぇ。

3/15/2026, 2:54:27 AM