街へ
沖縄県那覇市にある国際通りは「奇跡の一マイル」と呼ばれている。
1.6㎞の真っ直ぐに伸びた道は、焼け野原になった焦土の戦後復興をいち早く達成し賑わった。観光地として発展し、お土産屋、飲食店、ホテル、市場などが所狭しとひしめきあっているエネルギッシュな通りだ。
国際通りにはジンクスがあった。
「何かに挑戦する前に通ると成功する」というものだ。
私もそのジンクスを心に留めて、入り口のスクランブル交差点に立った。
斜めに走った横断歩道、道の先には、みずほ銀行、二階部分には大画面のデジタルサイネージ、外は日が出て暖かく、薄着でもいいくらいの気温だった。
ピンポーン。
『歩行者信号が青になりました。安全を確認してお渡り下さい』
ピヨ。
ピヨピヨ。
四方から音響がなる横断歩道を渡り、通りの入り口に入ると人でごった返していた。
修学旅行の女子高生、アジア人、ヨーロッパ人、白髪でヒゲで長髪をポニーテールにしているおじい、買い物車を押しているおばあ、鉄腕アトムが履いているような、でっかい赤い靴を履いた若者、シーサー。
多種多様な人々(犬々)が通りをばっこしていた。
多種多様は人だけではない。軒を連ねる店もバラエティに富んでおり、人と店と全部ひっくるめて国際通りだった。
本物の炎を使ったたいまつを看板に掲げるステーキ屋さんの前を通ると、焦がしたバターの香ばしい匂いがした。
お腹が空いてきて、テイクアウトできるポークたまごおにぎりを買う。
隣は、パワーストーンを扱うお土産屋さんだった。
ティファニーブルーの泪型の石のネックレスを手に取ると
「お姉さんと同じくらいきれいでしょ?」
と店員のおっちゃんが言ってきた。購入する前からパワーストーンの効果を感じて、結局オリオンビールのTシャツ2枚と、ハイビスカスの花飾りも一緒に買った。
道の中程までいくとスターバックスがある。
ベンティサイズをわしづかみした2メートルくらいの黒人が、すれ違う時に「Sorry」と言ったので「ザッツオーケー」と返した。
彼につられてキャラメルマキアートを買う。
道の終盤は派手なお店がなくなり、祭りの後のような少しの寂しさを感じながら、一日の充実感に浸っていた。
――私の挑戦、……節約と貯金。。。
両手一杯の買い物袋と、無理矢理に持ったキャラメルマキアートを見ながら、「明日から本気出す」と心に誓った。
1/29/2026, 5:16:55 AM