“これ、お土産!キミの目の色と同じですげー綺麗で思わず持って来ちゃったんだ”
掌に乗っているのは綺麗な色の石。
任務で拾って来たと言ってたけど落ちている物だったとは思えないくらい綺麗な石だ。
“今度のデートの時はもっと綺麗なやつ買おうな”
そう言って消えてしまった彼。
デートは未だ出来ていない。
「嘘つき」
何日、何ヶ月経とうと彼の消息は不明。
タークス達が創作を続けてくれてはいるけども彼らが見つけられないならきっともう…
「会いたいな」
石を転がしながら暇をしてると誤って手からこぼれ落ちる。
転がっていった石を目で追うと誰かの足元にコツンと当たる。
「…これまだ持っていてくれたんだな」
「う、そ」
耳を疑う。顔を上げられない。幻聴かもしれない。
溢れる涙を堪えながら下を向く。
「約束、遅くなってごめんな。」
私の手を取り石を乗せてくれる彼。
「デートの約束はまだ有効だよな?」
返事の代わりに喜びの涙が石に落下した。
-落下-
6/19/2024, 8:30:23 AM