君は何処か悲しげに橋の向こうを見つめていた。――このまま一緒に何処か遠くに行かない? 突然の君の持ち掛けに、思わず頷きそうになった。だけど、僕は何も答えない。 それができたら、どれだけいいだろう。 君と知らない道の先へ歩いていけたら、そう思うと嬉しくなる。でも、僕には償い切れていない罪がある。その罪がある限り、僕は何処へも行けない。また僕は何も言えないまま、君と橋の向こうを見据えていた。
7/3/2025, 5:11:40 PM