こんにちは、言葉(ことは)です。
私は現在、両親のお花屋さんを受け継いで、妹の氷華(ひょうか)と一緒に経営しています。
花を見るのは楽しいし、心も落ち着く。だから私は花が好きなんです。
カラン、コロン
あ、お客さんですね。いらっしゃいませ。
「...あの、すみません」
「はい」
「その......俺、花をプレゼントしたいんですけど......どんなのを渡したらいいですか...?」
茶髪の少し髪の長い、優しそうな男性です。大切な人へのプレゼントでしょうか?
「相手の方が喜ぶようなお花にしましょう。例えば...その方の好きな色の花などありますか?」
「あ...青色とか、水色が好きです」
「成る程...」
「...あの、その...彼女、花言葉とかよく知ってて......想いの入った花がいいかなって...」
「失礼ですが、どのような想いでしょうか?」
「えっと......この前告白されて...同じ気持ちだって、返事をしたくて...」
「わぁ、素敵な話ですね...!」
「ありがとうございます...」
寒色系で想いを伝えられる花...
「...この花はいかがですか?」
「これは?」
「勿忘草と言います。花の色によって花言葉が違うんです。この青い勿忘草の花言葉は『真実の愛』『誠の愛』です。夫婦やカップルの記念日などによく送られています。ドライフラワーにして、栞にも出来るんです。どうでしょうか?」
「...これにします。これでお願いします」
「かしこまりました。少々お待ちください」
花束を丁寧に優しく。私からも、気持ちが伝えられますようにという願いを込めて。
「お待たせしました」
「わ......凄い綺麗...!ありがとうございました」
「いえいえ」
「また来ます......今度は彼女と」
「楽しみにしています」
カラン、コロン
お客さんの足取りが凄く軽くなっている気がしました。喜んで貰えてよかったです。
いいお話が聞けそうです。楽しみだな。
お題 「勿忘草(わすれなぐさ)」
出演 言葉 玲人 氷華(名前)
2/2/2024, 3:34:02 PM