月見茶

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子どものままで

 沙代は両親からある言葉を言われ続けた。
「沙代、貴方は子どものままでいなさい。それが貴方の幸せよ」
「ふざけんじゃねえ! あたしを子ども扱いすんな、クソ野郎共。勝手に幸せ語ってんじゃあねえぞ」
 いつもは丁寧に返事をする沙代が悪態をついた。
「沙代、貴方……」
「黙れ、黙らなきゃシャーマンプレスしてやる。ああ、てか、するか」
「何を言ってるんだ? そんな技何処で……?」
 沙代はじりじりと母親の方へと寄る。
「特にてめえだ、おふくろ? お前の持論には反吐が出そうだ。今日まで耐えてやったんだ、お前なんざたった数分の拷問だ。耐えろよ?」
「沙代、貴方なんでそんな野蛮な芸を……」
「知らなかったのか、おふくろさんよぉ? 私が塾代だと言ってた月謝代」
 沙代はついに技をかけた。
「あれはプロレスに通うための金だ。師匠には許可をもらったぜ」
 瞬間、雄叫びが部屋に響き渡った。

5/12/2026, 11:45:23 AM