霜月 朔(創作)

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きっと明日も


買い物の帰り道。
街中は綺麗な夕焼けの、
オレンジ色に染まってた。

街を行き交う人々は、
何処か急ぎ足。
きっと大切な人の待つ家に、
帰るんだろう。

だけど、俺は…。
独りぼっち。
俺の隣は、ずっと空いたまま。
失恋の傷跡がちくりと痛む。

空を見上げると。
夕焼け色の空は、
少しだけ夜に近付いてて、
一番星が、輝いてた。

だから。
『きっと明日も、
良い日になるよ』って、
涙堪えて、茜色の空を眺めて、
そっと、呟いてみる。

『ほらね?
さっき迄あんなに悲しかったのに、
不思議と元気が出て来たでしょ?』
俺は俺に、魔法をかける。

きっと明日も、
…良い天気。

9/30/2024, 4:28:26 PM