【クリスタル】
真夜中のクリスタルは何処に存在しているのかさえわからない
何かに…誰かの手に光を与えて貰わないと光る事が出来ない…否、自ら光ることを拒んでいるのかも知れない、それは自分がそういう性質だから故、暴君でもなく諦めでもなく、ただ自分はそうなのだと自然を受け入れている揺るぎ無い自信だ
光を与えられたら自らの性質を余すところなく思う存分にキラキラと誰に遠慮する事もなく
邪魔としかめっ面をされても臆することなくキラリキラリと輝いて見せる
「この他力本願ヤロウ」と真夜中に呟く真司は
わかっていた、ただの八つ当たり
自分は人として生まれ自ら輝をを放さないと
どんなに光を当てて貰っても、いつかくすんでいくことを知っているから、こんなにしがみつくんダロウ…いつまでも真夜中に住んでいてはいけないと踠くのだろう、人は太陽に照らされて生を感じられるように出来ている性質なのだから…クリスタルの様にただ自分はそういう性質なのだと受け入れて、明日の風に吹かれるしかない…力を抜いてそろそろ寝ないと
太陽が昇ってしまう…いいんだよ、何度目かの太陽で起きられても、心置きなく真夜中にいて
何も持たない自分でも、恥ずかしがる事はない
太陽にアタロウ…それが人だから
7/2/2025, 6:24:01 PM