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「俺と一緒に働かないか。」
お酒を飲みながら仕事への思いを熱く語っていたら、とんとん拍子に次の仕事が決まった。最初から決まっていた運命のようだ。そう感じるほどに新しい仕事は楽しく、職場の人達は優しく、友人の存在は心強かった。

ただ、やりたい仕事ではない気がする。そんな小さな違和感から歯車は狂っていった。過去の経験が上手く活かせず、何度も叱責され頭が真っ白になる日々。友人の顔に泥を塗るわけにはいかない。でも自分は必要とされていない。次の転職が上手くいくかもわからない。もう死ぬしかない。これこそが最初から決まっていたことなのかもしれないと思った。

今となっては自分が何を話したのかすら覚えていない。「この病気には理解があるから安心してね。」と言う先生の声は優しく、涙が溢れそうになった。

これから何をしたらいいだろうか。自分がやりかった仕事とはなんだったのか。過去に語っていた夢や理想がふと蘇り、漠然とした思いの数々は繋がっていった。まばらに置かれた共通点のないパズルのピースが、あるきっかけによりまとまりを見せた。全ては必要だった。

外堀から埋めていったり、同系統でまとめたり、何となく置いたりして、徐々に完成像が見えてくるパズル。一つのピースだけを見つめても全ては見えてこないし、どのピースが欠けても完成しない。一見何もないようでも、完成後に美しさを引き立てる大事なピースとなる。
全てのピースが当てはまり、パズルは完成する。そう、こうなることは最初から決まっていたのだろう。

8/8/2024, 2:39:51 AM