―10年後の私から届いた手紙―
部屋に戻ると、机の上に便箋が置かれていた
薄いブルーの縦型の封筒で、
差出人名は書かれておらず、
宛名も書かれていなかった
もちろん心当たりは無いけれど、
ひとり暮らしの私の家にある以上、
私に充てられたものであることは間違いない
と思い、封筒相手に断りを入れて封筒を開いた
中に入っていたのは1枚の3つ折り便箋だった
気づくと私は便箋を開いて、
その文字を目で追っていた
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10年前の私へ
単刀直入に言います
あなたが今交際している方を
⬛︎してください
さもないと、あなたに不幸が降りかかります
あの人は本当は危ない人です
関係を持っていると、あなたの命も
奪われかねないのです
あなたも違和感を感じたことがあるでしょう?
心配性が度を過ぎていたり、
愛が重すぎたり
あなたは交際して間もないはずだから
拒んだこともないのでしょうけれどね
でも、拒んだら最後、
あの人は本性を表して動き出してしまう
これまでいくつかの方法が試されましたが
どれも効果がなかった
だから、残る方法はこれだけ
⬛︎される前に⬛︎す
⬛︎しかけられる前に⬛︎してしまう
あなたは大丈夫
あの人を消し去りさえすれば助かる
だから、今でなくてもいい
ただやられる前にやってほしい
頼んだよ
2/15/2023, 12:48:02 PM