このケーブルがさ、もうちょっとのところで届かないんだよ。
これとこれを繋ぎたいんだけどね、ちょっと長さが足りなかったみたいだ。
いやね、こっちの方が、最近パワーが足りなくなってきてね、まだまだ余力のあるところから、燃料を送ろうかと思ったんだけど…余計な心配だったかな。
でもほら、燃料不足だと動きも鈍くなって、そのうち活動停止しちゃいそうだなって。
そう、バランスって大事でしょ。
活力に違いがあると、争いどころか一方的な支配が生まれるかもしれない。
…ん?何の話かって?
いやだから、君達の住む星の燃料問題だよ。
今現在頼ってる石油やガスなんかの化石燃料も残りあとわずかでしょ。
分かってる?
燃料が枯渇した後の世界を想像したこと、ある?
今までのような当たり前の生活なんか出来っこないからね。
そこでだ、あっちの資源豊かな星、タイオニアからケーブルを引っ張って、あの星ならではの資源を伝送してもらおうと思ってな。
救世主たるこの私の計らいだ。感謝せえよ。
ところが、このケーブルじゃ届かないときた。
これは神様、うっかりミス。
もう、銀河町のヤマダ電機も閉まってるし、まあ、仕方ないな。
今から、君達の星、地球をグイッと動かします。
タイオニアに方へ、三光年ほど。
うんまあ、太陽系の構成がちょっとばかり変わっちゃうけど、資源枯渇よりはマシでしょ?
ん?そんなことして、地球上の君達は大丈夫なのかって?
まあ、そーだな、絶滅はしないでしょ。
…保証は出来んけど。
え?
救世主というより破壊神だって?
失礼だな、君は。
まだまだ私なんて、かの神の足元にも及ばない。
届かない憧れの存在だよ、シヴァ様は。
5/9/2025, 4:04:34 AM