インディウム

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高く高くあらねばならなかった
秋の青天井のように
ひたすらに高くあらねばならなかった
そうでなきゃばらばらになっちまうんだ

人生に必要なものは何か
金か、愛か、欲か、希望か
痛みか、悲しみか、憂いか、喜びか
翌る日も翌る日も考えた
星を眺めてはアスファルトを見つめ
雨の日は傘の中でひとり考えていた

冷えた秋の夜。



‥誇りだ。プライドだ。傲慢さと過信だ。



それが俺を繋ぎ止めているんだ。



俺は俺が嫌いだ
いや、俺は俺が嫌いだということにしている
そんな自分は好きじゃないが、


生きるのには傲慢さが必要だ。


俺は俺の遍歴を、仕事を、成果を、過去を、
この人生を尊敬している、いやしていることにしている

そしてその裏で
自尊心を蓄えて他人を見下している気がするし、
そうでない気も、単に権力志向なだけな気もするし、
ただ崇高な仕事人としてありたいとも思うし、
傲慢にもすでにそうである気もしているが、


たぶん、全部、思い込みだ。


全部、このプライドの高さが成せる、
上っ面の哲学もどきだ。

そしてこの頭に癖づいてしまった悪癖が
俺を俺たらしめている。


プライドは高く持たねばならぬ
俺は傲慢であり続けなければならぬ
ひたすらに高く
高くあらねばならぬ
この突き抜けるような青天井と宇宙との境界をも
突き破り去るほどに
高くあらねば


俺はひとつでいられない。


(高く高く)

10/14/2024, 2:48:43 PM