私を彩っている真っ赤なリボン。つけている限り、貴方が見つけてくれると約束してくれた、そんな遠い記憶の証明。
どれだけ世界から色が消えても、赤だけはずっと私の傍に居て、一緒に鮮やかな景色を取り戻してくれた。それなのに、貴方と会えない日々が積み重なる度にまた焦っては色褪せていく。貴方はきっと想像出来ない程の苦しみの最中に居ると言うのに。
「このままじゃ顔向け出来ないよね」
立ち上がってリボンを結ぶ。貴方と繋ぐ私の赤い糸。
事実も過去も変わりようがないのだから、約束は絶対に消えたりしない。少なくとも私が覚えている限りは。
『遠い約束』
4/8/2025, 2:08:14 PM