靴紐
「ありゃ?」
突然、足がグンと突っかかり、体が前のめりに倒れていく。
咄嗟に手が出ればよかったのだが、あいにく私は反射神経ゼロ。
結果、地面と熱烈なキスを交わすことになった。
周りの人が「大丈夫?」と言いたげな顔で心配そうにチラチラ見てくるけど、恥ずかしさで顔が真っ赤。
ガバッと起き上がり、パッパと服の汚れを払って、早足でその場を去った。
──そして学校。
いつものローファーにしとけばよかったな…… でも、この靴じゃないと……
「なぁ、転んだんだって?」
ニヤニヤ笑いながら声をかけてきたのは、幼なじみの彼。
からかうような口調にムッとしながらも、心臓はドキドキ。
「……うるさいなぁ」
そう言って足元を見る。彼の靴紐と私の靴紐は、実はお揃い。
誰にも、彼にも言ってない、小さな秘密。
9/18/2025, 4:03:58 AM